1951-08-03 第10回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 閉会後第6号
これも何百万人の者が行つて、それがどうなつて来たか、これについてはいろいろと新聞にも出たりしておりますが、こういうようなわけで、在外残留者生死、それから行方不明その他の数字というものは、誠にこれはつつけばつつくほど、誠に頼りないものが出て来ておるのであるから、そういう根拠に立つて先ほどのようなことを主張される。
これも何百万人の者が行つて、それがどうなつて来たか、これについてはいろいろと新聞にも出たりしておりますが、こういうようなわけで、在外残留者生死、それから行方不明その他の数字というものは、誠にこれはつつけばつつくほど、誠に頼りないものが出て来ておるのであるから、そういう根拠に立つて先ほどのようなことを主張される。
なぜこういうことを申上げるかというと、従来在外残留者の数というものはいろいろなものを使われて、そしてそれの確実性というものが問題になつてきたわけである。それであるからどうしても今発表されておる数字はどうも信憑性について疑問が多い。その点において私は全部発表をなさるべきだと思います。
○政府委員(田邊繁雄君) 在外残留者の問題でございまするが、実は引揚援護局といたしましては、帰つて来まして、引揚げて来る方の援護が主体でございまして、外地にどのくらい残つておるか、或いは死亡者がどのくらいあるかという問題は引揚援護局としては主管いたしておらないのであります。従つて私から答弁することをこの際差控えたいと思います。
しかしながら、最近の発表によりますれば、在外残留者はなお五十万を越えるといわれ、嚴寒の地に四度目の冬を迎えておられるのであります。最近のように寒さの身にしみるころは、私どもは、胸の詰まる思いをするのであります。この痛烈なる心境は、家族のものならずも、まつたく私どもが、右のような事情によつて胸をつかれるのであります。この残留の方々を待たれるところの家族の心境も、またしかりであります。
閣下 私ども日本國民は、連合軍当局のまことに時宜を制する諸般の御制策に深く信頼し、あらゆる努力をもつてこれに協力しつつある次第でありまして、在外残留者の引揚をめぐる諸問題についても、すでに種々御配慮を辱けなくしていることは、日本 國民のひとしく感謝しているところであります。
閣下 私共日本國民は、誠に時宜を制する諸般の御政策に深く信頼し、あらゆる努力を以つてこれに協力しつつある次第でありまして、在外残留者の引揚を繞る諸問題についても完全なる御認識を有せらるることは、私共が確信して疑わぬところであります。
この間本委員会を一貫する雰囲氣について申し上げますれば、各委員とも、在外残留者その留守家族及び一般國民の痛切なる訴え、熱願をみずからの背に負い、ぜひとも本問題を解決せんとの熱烈なる御希望をもつて、きわめて熱心にこれらの問題につき討議し、あるいは政府を鞭撻し、あるいは直接関係筋に情を具申する等、その努力はまことに敬意を表せざるを得ないのであります。
しかるに、たまたま去る十月二十九日、第四十四回対日理事会においてこの在外残留者の引揚問題が議題とせられたのであります。一般の報道以外に、内容についてはもとよりこれを詳細に承知いたすことはできないながらも、本問題に対する関係國の熱意に対し、さらに感激を新たにするものであります。